滋賀県の南西部に位置する大津は、667年に天智天皇により近江大津宮が遷都された歴史を持つ町で、古くから水陸交通の要地、東海道・中山道・北陸道の宿駅、園城寺の門前町として発展してきました。
現在でも世界文化遺産の延暦寺や、日吉大社、石山寺などの古社寺や史跡が数多く残されており、約1200年の歴史があるおごと温泉や、近江牛に代表される大津のグルメも楽しめます。
今回は、そんな大津を日帰りで巡る観光モデルコースと見どころ、大津で行くべき観光スポットについて解説していきます。
大津の主要観光スポット
大津の主要観光スポットは以下の通りです。
✅大津の主要観光スポット
- 石山寺
- 近江国一之宮 建部大社
- 園城寺(三井寺)
- 近江神宮
- 旧竹林院
- 日吉大社
- 比叡山延暦寺
- 西教寺
- おごと温泉
- 浮御堂
- びわこテラス
大津の主要観光スポットは、世界遺産の比叡山延暦寺や、紫式部が源氏物語を書き記したという石山寺、近江大津宮跡に鎮座し、かるたの聖地として知られる近江神宮、坂本エリアでの明智光秀ゆかりの地巡りなどです。
そのほか、標高約1,100mに位置する「びわ湖バレイ」の山頂展望施設「びわ湖テラス」はSNS映えスポットととして人気を集めています。
大津観光モデルコース【日帰り】
ではまず、大津を日帰りで巡る観光モデルコースをご紹介します。
大津観光モデルコースは以下の通りです。
✅大津観光モデルコース【日帰り】
大津観光モデルコースは、南側の石山寺から出発して、園城寺、近江神宮に立ち寄りながら北上していきます。
旧竹林院や日吉大社周辺は、明智光秀ゆかりの地である「坂本エリア」で、光秀が長く城主を務めた坂本城跡や、明智一族の菩提寺となっている西教寺があります。
そのあとは、お好みで比叡山延暦寺を半日観光するか、さらに北上して、「浮御堂」や「びわこテラス」を巡ってみてください。
大津エリアは電車やバスでも観光できますが、短時間で効率よく観光するには車が便利です。レンタカーは大津駅などで借りられます。
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また大津観光では、県下最大の温泉地である「おごと温泉」での宿泊が人気があります。平安時代、最澄が開湯したといわれる湯歴ある温泉地で、美肌の湯としても知られています。
大津近郊の観光スポット・モデルコースは以下の記事で解説しているので合わせてご覧ください。
大津で必ず行きたい11の観光スポット
では、ここからは上記モデルコースで行ける大津の観光スポットをそれぞれ解説していきます。
石山寺
石山寺は、瀬田川沿いにある西国三十三所観音霊場の第13番札所で、奈良時代後期に聖武天皇の勅願により、東大寺の僧である良弁により開かれました。
敷地約10万平方mにおよぶ広大な境内には、寺名の由来となった天然記念物の硅灰石が露出し、国宝の本堂・多宝塔をはじめ、経典・聖教類、仏像、絵巻など多くの国宝、重要文化財が並んでいます。
平安時代には、石山詣が盛んで観音堂に参籠し、一夜を過ごすことが流行りました。特に清少納言や和泉式部などの作家が石山寺のことをその作品に描いており、女流文学の開花の舞台となりました。
中でも源氏物語の作者として有名な紫式部は、この石山寺に参籠し、十五夜の名月を眺めたとき源氏物語の構想を思い起こしたとされており、今でも式部が参籠した源氏の間が残っています。
石山寺
所在地/大津市石山寺1-1-1
TEL/077-537-0013
営業時間/8:00~16:00
拝観料/一般・中・高生600円・小学生 250円
交通アクセス/石山寺駅から徒歩約10分
▶公式ホームページ
近江国一之宮 建部大社
近江国一之宮 建部大社は、近江の国(滋賀県)を守護とする神として1300年以上の歴史と由緒を持つ全国屈指の古社です。古くから歴代朝廷の尊信が驚く、また武将たちの崇敬も深く集めました。
祭神は日本武尊で平安時代に源頼朝が伊豆へ流される際に立ち寄り、源氏再興を祈願し、その願いが叶ったことから、武運・必勝の神として知られています。
境内は日本武尊を祭祀する本殿を中心に、日本武尊の西東遠征に付き従い功労のあった家臣がずらりと祀られており、日本武尊を祀る代表社としての風格が漂います。
また、終戦直後の昭和20年8月に日本で初めて発行された1000円紙幣には、日本武尊の肖像画と建部大社が描かれています。最高額の日本銀行券でした。
建部大社
所在地/大津市神領1-16-1
TEL/077-545-0038
営業時間/境内自由(宝物殿・社務所9:00~16:00)
拝観料/無料(宝物殿200円)
交通アクセス/唐橋前駅から徒歩約15分
▶公式ホームページ
園城寺(三井寺)
三井寺は正式には「長等山園城寺」といい、天台寺門宗の総本山。境内にある霊泉(井戸)の水が天智・天武・持統の三天皇の御産湯に使用されたことから「御井(みい)の寺」と称され、「三井寺」の由来となったとされています。
境内には金堂や西国三十三所観音霊場第十四番札所の観音堂をはじめ、国宝や重要文化財などが多く残り、近江八景「三井の晩鐘」は日本三名鐘のひとつになっています。
また、「弁慶の引き摺り鐘」も有名で「弁慶の汁鍋」と呼ばれる大きな鍋とともに金堂の西側にある霊鐘堂に安置されています。
これまで数多くの映画・ドラマでの撮影現場にもなっており、近年では実写版『るろうに剣心』や連続テレビ小説「おちょやん」で使用されました。
園城寺(三井寺)
所在地/大津市園城寺町246
TEL/077-522-2238
営業時間/8時~17時
※ライトアップの期間は21時まで(21時30分閉門)
料金/大人600円・中高生300円・小学生200円
交通アクセス/三井寺駅から徒歩約10分
▶公式ホームページ
近江神宮
近江神宮は、大化改新を行った「近江大津京」の旧跡に鎮座し、天智天皇を御祭神として祀る神社です。皇紀2600年の1940(昭和15)年に、昭和天皇の聴許により創建されました。
境内には、朱塗りの楼門のほか、外拝殿、内拝殿、本殿が立ち並び、その重厚な造りは「昭和づくり・近江づくり」と称され、昭和を代表する神社建築として国の登録文化財に指定されています。
そのほか、天智天皇が大津京に漏刻(水時計)を設けられ、日本の時刻制度を定められたことから「時の神様」ともいわれ、境内には漏刻台や日時計、古代火時計などが設置されています。
また、『小倉百人一首』の第1首目の歌を詠んだ天智天皇にちなみ、競技かるたの聖地といわれ、競技かるたを題材にした漫画・アニメ「ちはやふる」の舞台としても有名です。
近江神宮
所在地/大津市神宮町1-1
TEL/0775223725
営業時間/神符授与所 9:00~16:30
時計館宝物館 9:30~16:30
料金/境内自由
時計館宝物館:300円、小中学生 150円
交通アクセス/大津京駅から徒歩 20分
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旧竹林院
旧竹林院は、比叡山延暦寺の門前町として栄えた坂本に点在する里坊(高僧の隠居所)のひとつです。
大宮川の清流を取り入れ、八王子山を借景にした池泉回遊式の一千坪の庭園は、国の名勝庭園に指定されています。
庭園内に二棟の茶室と四阿(あずまや)が巧みに配置され、中でも入母屋造り茅葺きの茶室(小間)は、珍しい間取りで「天の川席」と呼ばれています。
旧竹林院
所在地/大津市坂本5-2-13
TEL/077-578-0955
営業時間/9:00~17:00(受付は16:30まで)
定休日/月曜日(祝日の場合は開園、翌日定休)
祝祭日の翌日・年末(12/25〜12/31)
料金/大人330円、小学生以下160円
交通アクセス/坂本比叡山口駅から徒歩10分
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日吉大社
日吉大社は、全国3800余の日吉・日枝・山王神社の総本宮です。
天台宗の護法神であり、社殿の立つ場所が平安京の表鬼門にあたるため平安時代より都の守護神としても信仰され、方除け、厄除けのご利益で知られています。
広大な境内には40社近くの社殿が建ち並び、国宝である東西本宮の本殿や、神の使い「神猿さん」の彫刻がある西本宮楼門、山に見立てた山王鳥居など重要文化財も多く、境内全体が国指定の史跡となっています。
日吉大社
所在地/大津市坂本5-1-1
TEL/077-578-0009
営業時間/9:30~16:30
料金/大人300円、小人150円
交通アクセス/坂本比叡山口駅から徒歩10分
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比叡山延暦寺
比叡山延暦寺は、伝教大師最澄によって開山された天台宗の総本山です。1,200年以上におよぶ長い歴史のなか、数多くの名僧を輩出し、全盛を誇った平安時代末期には、3,000人の僧侶が集う修行道場として栄えました。
東塔、西塔、横川の三塔十六谷からなり、比叡山中に100以上の堂塔伽藍が点在。平成6年(1994)には「古都京都の文化財」として、世界文化遺産にも登録されています。
行き方はドライブウェイが利用できるほか、坂本比叡山口駅から徒歩10分の「坂本ケーブル」で山頂へ行くことができます。行き方詳細は公式サイトをご覧ください。
比叡山延暦寺
所在地/大津市坂本本町4220
TEL/077-578-0001
営業時間/8:30~16:30、西塔、横川は16:00まで。
※季節により変動あり。
料金/東塔・西塔・横川共通券 大人1,000円、中高生600円、小学生300円
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西教寺
西教寺は、全国に450以上の末寺を持つ天台真盛宗の総本山で、聖徳太子が恩師の僧慧慈・慧聡のために創建されたと伝えられています。
その後、久しく荒廃していましたが、慈恵大師良源上人が復興。以来、西教寺は戒律・念仏の道場となり、現在に至るまで1日も絶えることなく念仏が唱え続けられています。
境内には、重要文化財である本尊の阿弥陀如来像や狩野派の襖絵が配された客殿、小堀遠州作の庭園などがあります。
また、戦国時代、織田信長(1534-82)による延暦寺焼き討ちで焼失した後、明智光秀(1528-82)が寺の復興に尽力したことから、境内には、光秀一族の墓もあります。
西教寺
所在地/大津市坂本5-13-1
TEL/077-578-0013
営業時間/9:00~16:30
拝観料/大人500円・中学生300円・小学生200円
交通アクセス/坂本比叡山口駅から徒歩20分
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おごと温泉
美しい琵琶湖畔に広がる「雄琴温泉(おごとおんせん)」は、1200年近くの歴史を持つ滋賀県下最大の温泉地です。
温泉は入浴後滑らかになる「美肌の湯」。現在でも湯治の郷として有名で、宿泊はもちろん、日帰り入浴や無料の足湯も楽しることから多くの観光客が訪れます。
宿泊は楽天ブロンズ&日本の宿アワード2020をW受賞している「びわこ緑水亭(4,400円~)」が人気があります。
ロビーや大展望風呂、露天風呂付客室などから琵琶湖が望める「琵琶湖グランドホテル(7,700円~)」や、楽天トラベル日本の宿アワードを4年連続受賞の「暖灯館 きくのや(8,250円~)」も評価が高いです。
そのほかは以下リンクをチェックしてみてください。
浮御堂
浮御堂は、寺名を海門山満月寺。平安時代に比叡山の僧・恵心僧都源信が湖上安全と衆生済度を祈願して建立したとされ、堂内には源信自らが刻んだと伝えられる千体の阿弥陀仏が安置されています。
びわ湖の最もくびれた部分から橋を渡して建てられており、湖面に浮いているかのように見えることから浮御堂と呼ばれます。
現在の建物は昭和12年の再建によるもので、昭和57年にも修理が行われ、昔の情緒をそのまま残しています。
湖中に浮かぶお堂の景観の素晴らしさは、近江八景「堅田の落雁」で名高く、松尾芭蕉はじめ多くの人々に愛され続けています。
浮御堂
所在地/大津市本堅田1-16-18
TEL/077-572-0455
営業時間/8:00~17:00
拝観料/300円
交通アクセス/JR堅田駅からバス「堅田出町」下車徒歩5分
びわこテラス
琵琶湖を見下ろすようにそびえる打見山(1,108m)と蓬莱山(1,174m)の間に、ゆったりと広がるびわ湖バレイ。関西で長年愛されてきたこのリゾートの2つの山頂エリアで楽しめるのが「びわ湖テラス」です。
打見山の山頂に雄大に広がる「The Main」、蓬莱山の山頂で静かにくつろげる「Café 360」。それぞれの個性的なテラスから、日本一の湖の素晴らしい風景を堪能できます。
びわ湖テラス
所在地/滋賀県大津市木戸1547-1
TEL/077-592-1155
運行時間/平日 9:30〜17:00(上り最終16:00/下り最終17:00)
土日祝・8月 9:00〜17:00(上り最終16:00/下り最終17:00)
料金/ロープウェイ:大人往復3,000円(土日祝・特定日3,500円)
小学生往復1,500円、幼児往復1,000円
交通アクセス/志賀駅下車バスで約10分、徒歩すぐ
▶公式ホームページ
大津の観光ガイドブック
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【大津観光モデルコース】まとめ
今回は、大津観光モデルコースについて詳しく解説してきました。
大津のある滋賀県の近郊には京都のほか、奈良や和歌山、福井など見どころ満載の観光地がたくさんあり、1泊2日や2泊3日での観光も充分に楽しめます。
観光モデルコースは以下の記事で解説しているので合わせてご覧ください。
今回は以上です。大津観光の参考になれば幸いです。