日本のアパレル業界は「店舗型ビジネス」が主流でしたが、EC(ネット通販)の拡大や消費スタイルの変化により、店舗数の最適化(閉店・再編)が進んでいる市場です。
その一方で、ユニクロやしまむらのように、大量出店と効率的な運営を武器に店舗網を拡大し続けているチェーンも存在します。特に「SPA(製造小売)」と呼ばれる業態は、商品開発から販売までを一貫して行うことで、高い収益性と店舗展開力を両立しています。
この記事では、日本国内の主要アパレルチェーンを店舗数ベースで整理しながら、それぞれの特徴や違い、さらに業界の構造や最新動向まで詳しく解説していきます。
アパレルチェーンの店舗数ランキング(日本)
まずは、日本国内の主要アパレルブランドを店舗数の多い順にまとめました。
※国内店舗のみ
| 順位 | チェーン名 | 店舗数(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | しまむら | 約1,420店舗 | 郊外型・低価格 |
| 2位 | ワークマン | 約1,050店舗 | 機能性ウェア |
| 3位 | ハニーズ | 約870店舗 | 女性向け低価格 |
| 4位 | ユニクロ | 約800店舗(国内) | 世界最大SPA・高品質低価格 |
| 5位 | 無印良品(衣料含む) | 約700店舗 | 生活雑貨+衣料 |
| 6位 | GU(ジーユー) | 約500店舗 | トレンド特化・低価格 |
| 7位 | アベイル | 約300店舗 | 若年層向け・しまむら系 |
| 8位 | ユナイテッドアローズ | 約230店舗 | セレクト系 |
| 8位 | ライトオン | 約230店舗 | デニム・カジュアル |
| 10位 | グローバルワーク | 約200店舗 | カジュアル |
| 11位 | BEAMS(ビームス) | 約170店舗 | セレクトショップ代表格 |
| 12位 | ニコアンド | 約150店舗 | ライフスタイル型 |
| 13位 | H&M | 約120店舗 | グローバル展開 |
| 14位 | ZARA | 約65店舗 | 外資系ファストファッション |
日本国内のアパレルブランドでは、しまむらが圧倒的な店舗数を誇ります。
1,400店舗を超える規模は他チェーンを大きく引き離しており、日本全国どこでも見かける“衣料インフラ”とも言える存在になっています。
また、2位のワークマンも1,000店舗規模に到達しており、従来の作業着ブランドから一般向けアパレルへと進化したことで、急速に店舗数を拡大しています。
一方で、ユニクロは売上・ブランド力ではトップクラスでありながら、店舗数では4位に位置しており、「店舗数=市場支配力ではない」という点もこの業界の特徴です。
アパレルチェーンの特徴と業界構造
アパレルチェーンは、大きく4つのタイプに分類できます。
まず主流となっているのが、しまむらやハニーズに代表される「低価格・大量出店型」です。
このタイプは、郊外ロードサイドや地方都市に多数出店し、“日常使いの服を安く提供する”ことに特化しています。特にしまむらは、広い売場と低コスト運営によって圧倒的な店舗網を構築しています。
次に、ユニクロやGUのような「SPA(製造小売)型」です。
企画・製造・販売を一体化することで、高品質かつ低価格を実現しており、グローバルでも競争力の高いモデルです。ユニクロはベーシック路線、GUはトレンド路線と役割が分かれています。
三つ目は、ユナイテッドアローズやBEAMSに代表される「セレクトショップ型」です。
自社商品だけでなく他ブランドも扱い、“編集力”や“提案力”で差別化しています。店舗数は多くないものの、都市部で強いブランド力を持っています。
そして四つ目が、ワークマンや無印良品のような「機能性・ライフスタイル型」です。
ワークマンは高機能ウェア、無印良品はシンプルな生活提案と、衣料+αの価値で支持を集めています。
アパレルチェーン比較表(価格・特徴・ポジション)
| チェーン | 価格帯 | 強み | 出店タイプ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| しまむら | 安い | 圧倒的店舗数 | 郊外 | 生活インフラ型 |
| ワークマン | 安い〜普通 | 機能性 | ロードサイド | 作業着→一般化 |
| ユニクロ | 普通 | 品質・ブランド | 都市+郊外 | 世界的SPA |
| GU | 安い | トレンド | モール | 若年層向け |
| 無印良品 | 普通 | 世界観 | モール | 生活提案型 |
| BEAMS | 高め | ブランド | 都市 | セレクト |
日常着はしまむら、機能性重視ならワークマン、ベーシックはユニクロ、トレンドはGU、おしゃれはセレクトショップといったように、消費者は目的ごとにブランドを選択しています。
また近年は、「価格の安さ」だけでなく、機能性やブランド体験が重要な選択基準となっており、単価の高いブランドでも支持を維持しています。
都道府県別 アパレルチェーン店舗数一覧
日本全国の主要アパレルチェーン(ユニクロ・GU・しまむら・Honeys・無印良品・ワークマン)をもとに、都道府県別の店舗数を一覧でまとめました。
※総店舗数は主要チェーンに加え、アベイル、ユナイテッドアローズなどを含めた推定値(約)です
北海道・東北
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | ユニクロ | GU | しまむら | Honeys | 無印良品 | ワークマン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 約350 | 29 | 15 | 68 | 41 | 29 | 31 |
| 青森県 | 約100 | 8 | 4 | 23 | 9 | 5 | 14 |
| 岩手県 | 約100 | 8 | 3 | 20 | 11 | 5 | 14 |
| 宮城県 | 約220 | 8 | 8 | 35 | 19 | 12 | 20 |
| 秋田県 | 約90 | 15 | 3 | 17 | 11 | 6 | 13 |
| 山形県 | 約90 | 7 | 3 | 16 | 11 | 8 | 18 |
| 福島県 | 約140 | 10 | 5 | 38 | 16 | 7 | 21 |
関東
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | ユニクロ | GU | しまむら | Honeys | 無印良品 | ワークマン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 茨城県 | 約300 | 15 | 10 | 55 | 21 | 18 | 44 |
| 栃木県 | 約200 | 13 | 5 | 36 | 17 | 10 | 23 |
| 群馬県 | 約200 | 15 | 8 | 38 | 11 | 15 | 27 |
| 埼玉県 | 約550 | 40 | 27 | 106 | 51 | 39 | 85 |
| 千葉県 | 約500 | 41 | 23 | 77 | 40 | 41 | 64 |
| 東京都 | 約700 | 103 | 48 | 69 | 61 | 109 | 70 |
| 神奈川県 | 約500 | 56 | 33 | 62 | 53 | 58 | 66 |
中部
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | ユニクロ | GU | しまむら | Honeys | 無印良品 | ワークマン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 新潟県 | 約200 | 12 | 8 | 36 | 23 | 12 | 26 |
| 富山県 | 約90 | 7 | 4 | 22 | 7 | 8 | 9 |
| 石川県 | 約80 | 7 | 4 | 16 | 8 | 8 | 8 |
| 福井県 | 約70 | 5 | 2 | 12 | 5 | 4 | 10 |
| 山梨県 | 約80 | 4 | 3 | 13 | 6 | 4 | 14 |
| 長野県 | 約200 | 13 | 8 | 37 | 20 | 10 | 29 |
| 岐阜県 | 約180 | 11 | 8 | 27 | 10 | 14 | 28 |
| 静岡県 | 約300 | 24 | 16 | 41 | 21 | 18 | 41 |
| 愛知県 | 約520 | 45 | 31 | 67 | 48 | 48 | 73 |
近畿
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | ユニクロ | GU | しまむら | Honeys | 無印良品 | ワークマン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 三重県 | 約160 | 10 | 5 | 22 | 14 | 10 | 16 |
| 滋賀県 | 約120 | 8 | 5 | 19 | 11 | 10 | 13 |
| 京都府 | 約180 | 20 | 10 | 23 | 22 | 21 | 12 |
| 大阪府 | 約550 | 60 | 34 | 57 | 60 | 51 | 61 |
| 兵庫県 | 約350 | 35 | 17 | 48 | 47 | 37 | 34 |
| 奈良県 | 約120 | 8 | 6 | 16 | 11 | 7 | 12 |
| 和歌山県 | 約100 | 6 | 1 | 14 | 8 | 6 | 12 |
中国・四国
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | ユニクロ | GU | しまむら | Honeys | 無印良品 | ワークマン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 鳥取県 | 約70 | 3 | 2 | 7 | 4 | 2 | 6 |
| 島根県 | 約70 | 3 | 2 | 9 | 4 | 5 | 4 |
| 岡山県 | 約150 | 9 | 5 | 25 | 10 | 9 | 10 |
| 広島県 | 約180 | 16 | 10 | 25 | 20 | 13 | 20 |
| 山口県 | 約130 | 9 | 5 | 21 | 12 | 9 | 14 |
| 徳島県 | 約80 | 5 | 2 | 10 | 4 | 3 | 8 |
| 香川県 | 約90 | 5 | 3 | 13 | 8 | 8 | 9 |
| 愛媛県 | 約100 | 9 | 4 | 16 | 6 | 4 | 13 |
| 高知県 | 約70 | 5 | 2 | 12 | 6 | 2 | 5 |
九州・沖縄
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | ユニクロ | GU | しまむら | Honeys | 無印良品 | ワークマン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 福岡県 | 約400 | 33 | 21 | 45 | 31 | 34 | 39 |
| 佐賀県 | 約80 | 4 | 3 | 11 | 5 | 4 | 7 |
| 長崎県 | 約100 | 8 | 4 | 16 | 7 | 6 | 4 |
| 熊本県 | 約130 | 10 | 6 | 23 | 12 | 6 | 14 |
| 大分県 | 約110 | 8 | 4 | 16 | 8 | 8 | 10 |
| 宮崎県 | 約100 | 8 | 5 | 16 | 6 | 6 | 11 |
| 鹿児島県 | 約120 | 9 | 4 | 18 | 10 | 6 | 12 |
| 沖縄県 | 約100 | 7 | 4 | 11 | 16 | 12 | 9 |
都道府県別アパレルチェーン店舗数の傾向・分析
この一覧から見えてくるのは、アパレルチェーンが単純な都市集中ではなく、「業態ごとに明確に役割分担された出店構造」になっている点です。
まず、ユニクロとGUは全国に広く展開していますが、特に都市部では大型店舗・郊外ロードサイドの両方を押さえることで、広い客層をカバーしています。東京都や大阪府では店舗数が多いのはもちろんですが、地方でも一定数が確保されており、「全国均一型ブランド」として機能しています。
一方で、しまむらは地方で圧倒的な強さを持ちます。埼玉県や福島県、茨城県などでは他ブランドを大きく上回る店舗数となっており、郊外・ロードサイド中心の出店戦略が明確に結果として現れています。都市部よりも地方で存在感が増す、典型的な地方強者型チェーンです。
また、ワークマンも同様に地方や郊外での出店が多く、特に関東・東海エリアでは高密度に展開されています。作業服から一般向けへと業態を拡張したことで、都市部にも進出しつつありますが、依然としてロードサイド型の強さが際立っています。
Honeysや無印良品は、ショッピングモールや駅ビルなど商業施設内への出店が多く、都市部・地方ともにバランスよく分布しています。ただし無印良品は大型店舗比率が高いため、数よりも「1店舗あたりの規模」で存在感を出しているのが特徴です。
全体として、
👉 全国網を重視するユニクロ・GU
👉 地方ロードサイドで強いしまむら・ワークマン
👉 商業施設中心の無印良品・Honeys
というように、アパレルチェーンは出店立地とターゲットによって明確に棲み分けされています。
アパレル業界の動向(閉店・EC化・今後)
アパレル業界は現在、大きな転換期にあります。最も大きな変化は、EC(オンライン販売)の急拡大です。
これにより、実店舗の役割は「販売の場」から「体験・試着の場」へと変化しています。その結果、多くのブランドで不採算店舗の閉店が進み、全体の店舗数は減少傾向にあります。
一方で、ユニクロやしまむらのように、効率的な店舗運営ができる企業は出店を継続しています。また近年は、OMO(オンラインとオフラインの融合)戦略が重要視されており、ECと店舗を連動させた販売モデルが主流になりつつあります。
まとめ|アパレルチェーンの店舗数ランキング
アパレルチェーンの店舗数ランキングでは、ユニクロを中心としたSPAブランドが圧倒的な存在感を持っています。しかし市場全体を見ると、
SPA型(ユニクロ・GU)
ディスカウント型(しまむら)
セレクト型(ビームス)
専門特化型(ワークマン・西松屋)
といった多様な業態が共存しており、単純な店舗数だけでは競争力を測ることはできません。また、業界全体としてはEC化と店舗再編が進む中で、「どのような価値を提供できるか」が重要になっています。




























