日本のカフェチェーンは、スターバックスのような全国展開の大型ブランドから、こだわり志向の専門店まで幅広く存在します。
出店エリアや業態も多様で、立地戦略やターゲット層によって出店の仕方は大きく異なります。駅前中心の回転型カフェ、郊外型で長時間滞在を前提とした店舗、空間価値を重視したブランド型など、それぞれ異なる戦略で展開されているのが特徴です。
この記事では、国内主要カフェチェーンの店舗数をもとに、その特徴や違いを整理しながら、日本のカフェ業界の全体像をわかりやすく解説していきます。
カフェチェーン店舗数ランキング
まずは、日本国内における主要カフェチェーンを店舗数の多い順にまとめました。
※2026年時点(公式検索ベース)
| 順位 | チェーン名 | 店舗数(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | スターバックス | 約2,100店舗 | 全国展開・ブランド力 |
| 2位 | ドトールコーヒー | 約1,290店舗 | 駅前・低価格 |
| 3位 | コメダ珈琲店 | 約1,050店舗 | 郊外型・長居向き |
| 4位 | タリーズコーヒー | 約835店舗 | 都市型・作業向き |
| 5位 | プロント | 約300店舗 | カフェ&バー |
| 6位 | サンマルクカフェ | 約285店舗 | 軽食強い |
| 7位 | 星乃珈琲店 | 約270店舗 | 喫茶店型 |
| 8位 | ヴィ・ド・フランス | 約230店舗 | ベーカリー併設 |
| 9位 | 珈琲館 | 約215店舗 | 伝統系喫茶 |
| 10位 | ゴンチャ | 約200店舗 | ドリンク特化 |
| 10位 | カフェ・ド・クリエ | 約200店舗 | 都市・施設型 |
| 12位 | ベローチェ | 約160店舗 | 低価格 |
| 13位 | エクセルシオールカフェ | 約120店舗 | 都市型カフェ |
| 14位 | 上島珈琲店 | 約90店舗 | コーヒー特化 |
| 15位 | 喫茶室ルノアール | 約80店舗 | 長居特化 |
| 15位 | むさしの森珈琲 | 約80店舗 | 郊外・高付加価値 |
| 17位 | ナナズグリーンティー | 約70店舗 | 抹茶・日本茶中心 |
| 18位 | シアトルズベストコーヒー | 約60店舗 | 特に九州地方に展開 |
| 19位 | 椿屋珈琲 | 約50店舗 | 高級喫茶 |
| 20位 | 倉式珈琲店 | 約50店舗 | 本格的珈琲店 |
日本国内のカフェチェーンではスターバックスが圧倒的な店舗数を誇ります。都市部から地方まで幅広く展開し、いわゆる“どこにでもあるカフェ”としてのポジションを確立しています。
次いで、ドトールは駅前やオフィス街に集中し、短時間利用や回転率を重視したビジネスモデルを徹底しています。一方で、コメダ珈琲店は郊外型店舗を中心に拡大しており、広い座席や長居しやすい環境によって独自のポジションを築いています。
同じカフェチェーンでも「回転重視」「滞在重視」「空間重視」といった方向性が明確に分かれており、それぞれが異なるニーズを取り込むことで市場全体が成立しています。
カフェチェーン一覧(専門系まとめ)
店舗数上位には入らないものの、特徴的なカフェチェーンを整理すると以下の通りです。
| チェーン名 | 店舗数目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 倉式珈琲店 | 約50店舗 | サイフォン式 |
| 高倉町珈琲 | 約40店舗 | 郊外型・パンケーキ |
| コナズ珈琲 | 約45店舗 | ハワイアン |
| DEAN & DELUCA | 約50店舗 | 高級志向 |
| ナナズグリーンティー | 約70店舗 | 和カフェ |
| 猿田彦珈琲 | 約20店舗 | スペシャルティ |
| ブルーボトルコーヒー | 約30店舗 | サードウェーブ |
| 椿屋珈琲 | 約50店舗 | 高級喫茶・サイフォン |
| さかい珈琲 | 約40店舗 | 郊外型 |
| やなか珈琲店 | 約30店舗 | 自家焙煎 |
これらのチェーンは規模こそ大手に劣るものの、コンセプトが明確で、特定の層から強い支持を得ているのが特徴です。
特にサードウェーブ系や高級喫茶は、「コーヒーの味」や「空間の質」を重視するユーザーに選ばれやすく、大手チェーンとは異なる市場を形成しています。
カフェチェーン比較表(長居・安さ・作業向き)
主要チェーンを利用目的ごとに整理すると、次のような傾向があります。
| チェーン | 長居しやすさ | 価格帯 | 作業向き | 主な立地 |
|---|---|---|---|---|
| スターバックス | ◎ | やや高め | ◎ | 全国 |
| ドトール | △ | 安い | △ | 駅前 |
| コメダ珈琲店 | ◎ | 普通 | ○ | 郊外 |
| タリーズ | ○ | 普通 | ◎ | 都市 |
| ベローチェ | △ | 安い | △ | 都市 |
| 星乃珈琲店 | ◎ | 普通 | △ | 郊外 |
| 喫茶室ルノアール | ◎ | 高め | ○ | 都市 |
| エクセルシオール | ○ | 普通 | ◎ | 都市 |
| 上島珈琲店 | ○ | やや高め | ○ | 都市 |
| プロント | △ | 普通 | △ | 駅前 |
| 椿屋珈琲 | ◎ | 高め | △ | 都市 |
※店舗や時間帯によって異なるため、あくまで一般的な傾向です。
長時間滞在を重視するならコメダやルノアール系、作業用途であればスターバックスやタリーズ、価格を抑えるならドトールやベローチェといったように、選び方はかなり明確に分かれます。
カフェチェーン店舗数の特徴と傾向
日本のカフェチェーンは、大きく分けて3つのタイプに分類できます。
一つ目は、駅前や都市部に集中する「回転型カフェ」です。ドトールやベローチェに代表されるこのタイプは、価格を抑えつつ短時間利用を前提としており、ビジネスパーソンや移動中の利用者を主なターゲットとしています。
二つ目は、郊外に広い店舗を構える「滞在型カフェ」です。コメダ珈琲店やむさしの森珈琲がこの代表で、駐車場付きの大型店舗やゆったりした座席配置によって、長時間の利用や家族連れの需要を取り込んでいます。
三つ目は、ブランドや体験を重視する「空間型カフェ」です。スターバックスやタリーズなどが該当し、内装や雰囲気、サービスを含めたトータルの体験価値で差別化しています。
カフェチェーン店舗数の推移
2000年代中盤に全国のカフェ・喫茶店数は約29万件規模に達していましたが、その後は個人経営店を中心に閉店が増加し、現在は約20万件前後まで減少しました。
これは後継者不足や採算性の問題、コンビニコーヒーの普及などが大きな要因とされています。一方で、大手カフェチェーンは逆に店舗数を伸ばし続けているのが大きな特徴です。
特にスターバックス、ドトールコーヒー、コメダ珈琲店といった主要ブランドは、全国規模での出店を進め、業界内での存在感を強めています。
中でもコメダ珈琲店は、郊外型・長居しやすい空間を武器に、約10年で500店舗規模から1,000店舗超へと急拡大しており、従来の「駅前カフェ中心」の市場構造を大きく変えました。また、スターバックスも継続的な出店により国内2,100店舗以上へと成長し、ブランド力と立地戦略で市場をリードしています。
このように、カフェ業界は「総店舗数は減少しているが、大手チェーンへの集約が進んでいる」という点が最大の特徴です。さらに、開業から3年以内に約60%が閉店すると言われるほど競争は激しく、個人店にとっては厳しい市場環境が続いています。
現在は市場規模としては約1兆円前後で安定しているものの、差別化が重要となり、「生き残る店舗」と「淘汰される店舗」の二極化がさらに進むと見られています。
カフェチェーン売上ランキング【外食企業別】
カフェ業界では「店舗数」と並んで「売上規模」も重要な指標です。
カフェチェーンを運営する企業の売上規模を見ていきます。
| 順位 | 企業名 | 売上(目安) | 主なブランド |
|---|---|---|---|
| 1位 | スターバックスコーヒージャパン | 約3,200億円規模 | スターバックス |
| 2位 | ドトール・日レスホールディングス | 約1,300億円規模 | ドトールなど |
| 3位 | サンマルクホールディングス | 約710億円規模 | サンマルクカフェなど |
| 4位 | 日本レストランシステム | 約500億円規模 | 星乃珈琲店など |
| 5位 | コメダホールディングス | 約470億円規模 | コメダ珈琲店など |
| 6位 | タリーズコーヒージャパン | 約430億円規模 | タリーズコーヒーなど |
| 7位 | プロントコーポレーション | 約250億円規模 | プロントなど |
| – | UCCホールディングス | 約4,000億円規模 (グループ連結) | 上島珈琲など |
この売上ランキングは、カフェ単体ではなく企業全体の売上を示しています。
たとえばUCCホールディングスはコーヒーの製造・販売事業も含んでいるため規模が大きくなっていますし、サンマルクホールディングスもレストラン事業を含んだ数字です。
その中で、スターバックスコーヒージャパンはカフェ事業を中心にこれだけの売上規模を持っており、店舗数と売上の両面で日本のカフェ市場をリードしている存在といえます。
また、コメダホールディングスは郊外型カフェに特化したビジネスモデルで安定した売上を確保しており、独自路線の成功例として注目されています。
都道府県別 カフェチェーン店舗数ランキング
以下は、日本全国の主要カフェチェーン(スターバックス・ドトールコーヒー・コメダ珈琲店・タリーズコーヒー)をもとにした、都道府県別の店舗数ランキングです。
※総店舗数は主要チェーン+その他カフェを含めた推定値です
| 順位 | 都道府県 | 総店舗数(推定) | スタバ | ドトール | コメダ | タリーズ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 約1,800 | 432 | 485 | 100 | 236 |
| 2 | 大阪府 | 約700 | 170 | 81 | 85 | 67 |
| 3 | 愛知県 | 約750 | 161 | 50 | 211 | 26 |
| 4 | 神奈川県 | 約600 | 144 | 172 | 55 | 85 |
| 5 | 埼玉県 | 約500 | 98 | 80 | 38 | 49 |
| 6 | 千葉県 | 約500 | 97 | 72 | 33 | 38 |
| 7 | 福岡県 | 約400 | 91 | 35 | 44 | 31 |
| 8 | 兵庫県 | 約350 | 75 | 31 | 47 | 24 |
| 9 | 北海道 | 約300 | 58 | 28 | 24 | 25 |
| 10 | 静岡県 | 約300 | 54 | 17 | 34 | 27 |
| 11 | 京都府 | 約250 | 48 | 21 | 23 | 12 |
| 12 | 広島県 | 約250 | 44 | 13 | 20 | 20 |
| 13 | 熊本県 | 約230 | 45 | 4 | 7 | 5 |
| 14 | 茨城県 | 約220 | 43 | 11 | 12 | 12 |
| 15 | 栃木県 | 約200 | 36 | 7 | 12 | 12 |
| 16 | 沖縄県 | 約200 | 35 | 7 | 7 | 7 |
| 17 | 宮城県 | 約230 | 33 | 22 | 10 | 16 |
| 18 | 長野県 | 約200 | 33 | 5 | 11 | 10 |
| 19 | 群馬県 | 約180 | 28 | 8 | 11 | 7 |
| 20 | 三重県 | 約180 | 28 | 9 | 28 | 3 |
| 21 | 岐阜県 | 約200 | 26 | 14 | 29 | 9 |
| 22 | 新潟県 | 約170 | 24 | 5 | 12 | 17 |
| 23 | 岡山県 | 約170 | 23 | 7 | 11 | 5 |
| 24 | 奈良県 | 約150 | 22 | 8 | 13 | 3 |
| 25 | 鹿児島県 | 約150 | 21 | 3 | 11 | 3 |
| 26 | 滋賀県 | 約150 | 21 | 0 | 16 | 2 |
| 27 | 石川県 | 約140 | 19 | 7 | 8 | 7 |
| 28 | 福島県 | 約150 | 18 | 20 | 6 | 9 |
| 29 | 大分県 | 約120 | 17 | 2 | 5 | 2 |
| 30 | 香川県 | 約120 | 17 | 1 | 7 | 4 |
| 31 | 長崎県 | 約120 | 15 | 4 | 5 | 5 |
| 32 | 愛媛県 | 約130 | 14 | 3 | 10 | 5 |
| 33 | 富山県 | 約120 | 14 | 7 | 5 | 6 |
| 34 | 佐賀県 | 約110 | 14 | 3 | 3 | 1 |
| 35 | 宮崎県 | 約120 | 14 | 3 | 7 | 6 |
| 36 | 山梨県 | 約110 | 13 | 5 | 4 | 2 |
| 37 | 福井県 | 約110 | 12 | 2 | 7 | 5 |
| 38 | 青森県 | 約120 | 11 | 12 | 2 | 6 |
| 39 | 山口県 | 約110 | 10 | 3 | 10 | 6 |
| 40 | 山形県 | 約100 | 10 | 12 | 7 | 3 |
| 41 | 和歌山県 | 約100 | 10 | 3 | 9 | 2 |
| 42 | 岩手県 | 約90 | 9 | 8 | 6 | 2 |
| 43 | 秋田県 | 約80 | 9 | 2 | 3 | 3 |
| 44 | 高知県 | 約70 | 7 | 2 | 6 | 2 |
| 45 | 徳島県 | 約80 | 6 | 0 | 7 | 4 |
| 46 | 鳥取県 | 約60 | 6 | 2 | 5 | 2 |
| 47 | 島根県 | 約60 | 5 | 3 | 5 | 4 |
都道府県別にカフェチェーンの店舗数を見ていくと、東京都が圧倒的でスターバックスやドトールなどの都市型カフェが集中しています。これに大阪府、神奈川県、愛知県といった大都市圏が続きます。
そして、特徴的なのは愛知県です。コメダ珈琲店の地盤であることから郊外型カフェの比率が高くなっています。
一方で地方では、都市型カフェよりも駐車場付きのロードサイド店舗が強く、同じチェーンでも出店形態が大きく異なります。車社会かどうか、商業施設の構造などにも大きく影響されています。
まとめ|カフェチェーン店舗数ランキング
日本のカフェチェーンは、スターバックスやドトールのような全国展開型だけでなく、コメダのような郊外型、ルノアールのような長居特化型、さらには専門性の高い小規模チェーンまで、多様な業態で構成されています。
今後もカフェ業界は、「空間と時間の提供」を軸に進化していくと考えられ、それぞれのチェーンの個性はさらに明確になっていきそうです。




















