日本のラーメン業界は、個人店が多いイメージが強い一方で、実際には数百店舗規模で展開するチェーンも数多く存在しています。特に近年は、ロードサイド型の大型店舗や、家系・味噌ラーメンなど特定ジャンルに特化したチェーンの拡大が進み、市場全体としては拡大傾向にあります。
幸楽苑や日高屋のような大規模チェーンから、一風堂のようなブランド志向の店舗まで、さまざまなタイプが展開しており、安定した品質とブランド力を武器に着実に店舗数を伸ばしています。
この記事では、主要ラーメンチェーンの店舗数ランキングをもとに、系統別の特徴や成長トレンド、地域ごとの出店傾向まで詳しく解説していきます。
ラーメンチェーン店舗数ランキング(日本)
まずは、日本国内における主なラーメンチェーンを店舗数の多い順にまとめました。
| 順位 | チェーン名 | 店舗数(目安) | 系統 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 餃子の王将 | 約730店舗 | 中華料理チェーン |
| 2位 | リンガーハット | 約550店舗 | 長崎ちゃんぽん専門店 |
| 3位 | 日高屋 | 約455店舗 | 中華料理チェーン |
| 4位 | 大阪王将 | 約350店舗 | 中華料理チェーン |
| 4位 | 幸楽苑 | 約350店舗 | らーめんチェーン店 |
| 6位 | スガキヤ | 約250店舗 | 東海中心 |
| 6位 | 来来亭 | 約250店舗 | 京都風醤油味のラーメン |
| 6位 | らあめん花月嵐 | 約250店舗 | 醤油豚骨ラーメン |
| 9位 | 丸源ラーメン | 約230店舗 | 熟成醤油ラーメン |
| 10位 | 田所商店 | 約200店舗 | 味噌らーめん特化 |
| 10位 | 天下一品 | 約200店舗 | こってりスープが特徴 |
| 10位 | 山岡家 | 約200店舗 | 濃厚な豚骨ラーメン |
| 13位 | 町田商店 | 約185店舗 | 横浜家系ラーメン |
| 14位 | 魁力屋 | 約160店舗 | 京都背脂醤油ラーメン |
| 15位 | 一風堂 | 約150店舗 | 博多ラーメン |
| 16位 | くるまやラーメン | 約140店舗 | ラーメンチェーンの老舗 |
| 17位 | 壱角家 | 約130店舗 | 横浜家系ラーメン |
| 18位 | どうとんぼり神座 | 約125店舗 | あっさり醤油スープ |
| 19位 | 8番らーめん | 約124店舗 | 野菜らーめん |
| 20位 | ずんどう屋 | 約110店舗 | 背脂濃厚スープが特徴 |
| 21位 | ラーメンまこと屋 | 約105店舗 | 牛骨ラーメンチェーン |
| 22位 | 一蘭 | 約84店舗 | とんこつラーメン |
日本国内のラーメンチェーンでは、餃子の王将が圧倒的な規模を維持しています。ラーメン専門店ではなく中華業態ではあるものの、ラーメンを含めた総合力で全国に展開。純粋なラーメンチェーンとして見ると、リンガーハットや日高屋、幸楽苑などが上位を占めています。
いずれも「低価格・日常利用」に強みを持っており、都市部・駅前立地、回転率を重視したビジネスモデルが特徴です。
中位以降を見ると、来来亭や天下一品、山岡家など、地域発祥のブランドが全国に広がっているケースが多く、それぞれが味の個性で支持を得ています。
また、近年特に伸びているのが、丸源ラーメンや町田商店、魁力屋、田所商店といった郊外型チェーンです。これらは幹線道路沿いに大型店舗を構え、駐車場完備でファミリー層を取り込む戦略を取っています。
ラーメンチェーンの特徴と業界構造
ラーメンチェーンは、他の外食業態と比べても特に「ジャンル特化」が強いのが特徴です。
まず一つ目は、日高屋や幸楽苑のような「総合型」です。ラーメン以外にも定食や餃子などを提供し、日常的な食事需要を取り込んでいます。価格帯が低く、駅前や都市部で強いのが特徴です。
二つ目は、一風堂や山岡家のような「専門系(豚骨・濃厚系)」です。味の個性が強く、ブランド力で集客するタイプで、リピーターが多い傾向があります。
三つ目は、町田商店や壱角家などの「家系ラーメンチェーン」です。ここ数年で急速に拡大しており、若年層を中心に人気を集めています。
田所商店のような「味噌特化型」も存在感を示しており、チェーン店においては出店戦略やブランドの差別化がより重要になっています。
ラーメンチェーン比較表(価格・客層・特徴)
| チェーン | 価格 | 客層 | 立地 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 日高屋 | 安い | 一人客 | 駅前 | 回転重視 |
| 幸楽苑 | 安い | 家族 | 郊外 | バランス型 |
| 一風堂 | 高め | 若年層 | 都市 | ブランド力 |
| 山岡家 | 普通 | 男性中心 | 郊外 | 濃厚系 |
| 丸源ラーメン | 普通 | ファミリー | 郊外 | 接客強い |
| 町田商店 | 普通 | 若年層 | 都市郊外 | 家系 |
| 田所商店 | 普通 | 家族 | 郊外 | 味噌特化 |
ラーメンチェーンは「価格」よりも「味の好み」で選ばれる傾向が強く、他の外食業態とは選び方が大きく異なります。そのため、同じ価格帯でも客層が大きく分かれるのが特徴です。
ラーメンチェーン一覧(中堅・専門系)
中堅チェーンは、明確なコンセプトを持つことで差別化しています。特に「つけ麺」「油そば」などジャンル特化型は、一定の市場を確立しています。
都道府県別 ラーメンチェーン店舗数一覧
日本全国の主要ラーメンチェーン(餃子の王将・リンガーハット・日高屋)をもとに、都道府県別の店舗数を一覧でまとめました。
※総店舗数は主要チェーンに加え、一風堂・天下一品・幸楽苑などを含めた推定値(約)です
北海道・東北
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | 餃子の王将 | リンガーハット | 日高屋 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 約80 | 18 | 3 | 0 |
| 青森県 | 約20 | 0 | 2 | 0 |
| 岩手県 | 約10 | 0 | 0 | 0 |
| 宮城県 | 約70 | 4 | 3 | 0 |
| 秋田県 | 約20 | 0 | 2 | 0 |
| 山形県 | 約20 | 0 | 2 | 0 |
| 福島県 | 約30 | 0 | 1 | 0 |
関東
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | 餃子の王将 | リンガーハット | 日高屋 |
|---|---|---|---|---|
| 茨城県 | 約100 | 6 | 7 | 10 |
| 栃木県 | 約60 | 3 | 6 | 6 |
| 群馬県 | 約80 | 11 | 6 | 6 |
| 埼玉県 | 約300 | 36 | 48 | 101 |
| 千葉県 | 約220 | 28 | 40 | 56 |
| 東京都 | 約450 | 67 | 79 | 192 |
| 神奈川県 | 約250 | 41 | 65 | 70 |
中部
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | 餃子の王将 | リンガーハット | 日高屋 |
|---|---|---|---|---|
| 新潟県 | 約40 | 3 | 2 | 1 |
| 富山県 | 約30 | 4 | 2 | 0 |
| 石川県 | 約30 | 8 | 3 | 0 |
| 福井県 | 約30 | 6 | 0 | 0 |
| 山梨県 | 約20 | 1 | 2 | 0 |
| 長野県 | 約50 | 4 | 2 | 0 |
| 岐阜県 | 約80 | 17 | 6 | 0 |
| 静岡県 | 約100 | 7 | 10 | 0 |
| 愛知県 | 約180 | 43 | 28 | 0 |
近畿
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | 餃子の王将 | リンガーハット | 日高屋 |
|---|---|---|---|---|
| 三重県 | 約70 | 19 | 5 | 0 |
| 滋賀県 | 約70 | 21 | 2 | 0 |
| 京都府 | 約120 | 46 | 9 | 0 |
| 大阪府 | 約300 | 155 | 24 | 0 |
| 兵庫県 | 約160 | 73 | 17 | 0 |
| 奈良県 | 約60 | 17 | 3 | 0 |
| 和歌山県 | 約40 | 12 | 1 | 0 |
中国・四国
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | 餃子の王将 | リンガーハット | 日高屋 |
|---|---|---|---|---|
| 鳥取県 | 約20 | 3 | 3 | 0 |
| 島根県 | 約10 | 0 | 0 | 0 |
| 岡山県 | 約50 | 9 | 4 | 0 |
| 広島県 | 約60 | 10 | 10 | 0 |
| 山口県 | 約40 | 4 | 5 | 0 |
| 徳島県 | 約30 | 5 | 1 | 0 |
| 香川県 | 約30 | 7 | 2 | 0 |
| 愛媛県 | 約30 | 2 | 0 | 0 |
| 高知県 | 約20 | 2 | 0 | 0 |
九州・沖縄
| 都道府県 | 総店舗数(推定) | 餃子の王将 | リンガーハット | 日高屋 |
|---|---|---|---|---|
| 福岡県 | 約180 | 21 | 64 | 0 |
| 佐賀県 | 約20 | 2 | 12 | 0 |
| 長崎県 | 約50 | 4 | 23 | 0 |
| 熊本県 | 約50 | 5 | 17 | 0 |
| 大分県 | 約30 | 1 | 9 | 0 |
| 宮崎県 | 約20 | 0 | 7 | 0 |
| 鹿児島県 | 約20 | 0 | 5 | 0 |
| 沖縄県 | 約20 | 0 | 6 | 0 |
都道府県別ラーメンチェーンの傾向・分析
この一覧から明確に見えてくるのは、ラーメンチェーンは全国均一型ではなく、「地域密着型の勢力分布」が極めて強い業界であるという点です。
まず、餃子の王将は関西圏で圧倒的な強さを持っており、関西ドミナント戦略(特定エリア集中出店)が非常に成功しているチェーンといえます。一方で東北ではほぼ未出店であり、全国展開というより「強い地域を徹底的に深掘りするモデル」が特徴です。
次に、リンガーハットは九州発祥という背景もあり、福岡県64店舗、長崎県23店舗など、九州エリアで圧倒的な存在感を持っています。同時に関東・中部にもバランスよく展開しており、地方+都市のハイブリッド型チェーンとして機能しています。特にロードサイドとショッピングモールの両方を押さえる戦略が特徴です。
そして、日高屋は完全に首都圏特化型です。東京都192店舗、埼玉県101店舗など、関東1都3県に集中しており、地方にはほぼ出店していません。これは駅前・繁華街中心の都市密集型ビジネスモデルであり、他チェーンとは明確に異なるポジションを取っています。
この3チェーンを比較すると、
- 餃子の王将:関西特化型(ドミナント戦略)
- リンガーハット:全国バランス型(特に九州強い)
- 日高屋:首都圏集中型(都市密集)
という構図がはっきりと見えてきます。
また、ラーメン業界全体としては個人店・ローカルチェーンの比率が高いため、全国チェーンだけで見ても地域ごとの偏りが強く、「どのチェーンが多いか=その地域の食文化・商圏特性」が反映されやすいのも特徴です。
まとめ|ラーメンチェーン店舗数ランキング
ラーメンチェーンの店舗数ランキングでは、餃子の王将やリンガーハット、日高屋といった大手が上位を占めていますが、その中身を見ると「総合型」「専門型」「地域特化型」など多様な業態が混在しています。
特に近年は、丸源ラーメンや町田商店などの郊外型チェーンが急成長しており、市場構造は大きく変化しています。また、ラーメンは地域性の影響が強い業態であり、都道府県ごとの出店傾向にも大きな違いがあります。
今後もジャンル特化とブランド戦略が進むことで、ラーメンチェーン市場はさらに細分化されていくと考えられます。
























