紀伊半島は、本州中央部から南側の太平洋に突き出る日本最大の半島です。奈良や京都に住む人々は、古代より紀の川(吉野川)から南の紀伊山地全体を、神々がこもり、仏が宿る聖域と考えてきました。
現在は、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録され、数多くの国宝や重要文化財が残されています。
今回は、そんな紀伊半島を巡る観光モデルコースと見どころ、紀伊半島で行くべき観光スポットについて解説していきます。
紀伊半島一周ドライブ|観光モデルコース
ではまず、紀伊半島一周ドライブモデルコースをご紹介します。
紀伊半島一周ドライブモデルコースは以下の通りです。
✅紀伊半島一周ドライブモデルコース
紀伊半島のドライブモデルコースは、伊勢神宮から出発して海沿いを南下し、和歌山県の熊野三山とクジラ古式捕鯨発祥の町”太地町”の「くじらの博物館」を巡り、白浜温泉へと向かいます。
そのあとは、和歌山市内にて和歌山城や日前神宮・國懸神宮、友ヶ島などを観光し、紀伊半島の中ほどにある真言密教の聖地「高野山」、日本一の桜の名所であり修験道の聖地の「吉野山」と周遊していきます。
走行距離はおよそ600㎞、12時間の道のり。紀伊半島には2か所の「紀勢自動車道」があり、その区間は無料で利用できます。
なお、移動には車・レンタカーが必要です。レンタカーは空港や主要な駅で借りられます。
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紀伊半島一周ドライブ|観光の見どころ
紀伊半島の主要観光スポットは以下の通りです。
✅紀伊半島の主要観光スポット
- 【三重】伊勢神宮
- 【和歌山】熊野三山
- 【和歌山】白浜温泉
- 【和歌山】市内観光
- 【和歌山】高野山
- 【奈良】吉野山・金峯山寺
紀伊半島の観光の見どころは、神社の中でも代表格とされる「伊勢神宮」や、世界遺産に登録された「吉野・大峰」、「熊野三山」、「高野山」の3つの霊場です。
熊野三山は3つの聖地の総称で、日本一の落差を誇る「那智の滝」や、熊野古道と呼ばれる参詣道も観光できます。
宿泊は日本三古湯のひとつに数えられる「白浜温泉」や、熊野三山観光に便利な「南紀勝浦温泉」がおすすめです。1泊目に南紀勝浦温泉、2泊目に白浜温泉に泊まると効率よく観光できます。
また、紀伊半島までは飛行機なら関西国際空港や南紀白浜空港、新幹線なら名古屋駅や新大阪駅が利用できます。
新幹線や飛行機のチケットは、「ホテル・旅館」と組み合わせたダイナミックパッケージでお得に購入することができます。このようなサービスは、以下の旅行会社で取り扱われているので、ぜひチェックしてみてください。
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紀伊半島で必ず行きたい8つの観光地
では、ここからは上記モデルコースで行ける紀伊半島の観光名所をそれぞれ解説していきます。
伊勢神宮
伊勢神宮は、天照大御神を祀る皇大神宮(内宮)と、衣食住の守り神である豊受大御神を祀る豊受大神宮(外宮)を中心とした125社のお宮とお社の総称です。正式名称は「神宮」といいます。
皇室の祖先の神様である「天照皇大神」を祀るため、歴史的に皇室・朝廷の権威との結びつきが強く、即位や退位、結婚などの際、歴代の天皇や皇族が天照大神に「報告」するのが慣例になっています。
起源は今から約2000年前、天照大御神の鎮座地を探して各地を巡っていた倭姫命(やまとひめのみこと)が、天照大御神のお告げにより五十鈴川のほとりに皇大神宮を定めたとされています。
昔からお伊勢参りでは外宮、内宮の順に詣でるのが慣わしです。内宮と外宮は離れた場所にあり、観光では内宮のみ参拝する方も多いです。
また、伊勢神宮周辺での宿泊は、「いにしえの宿 伊久(20,350円〜)」が人気があります。
内宮まで歩いて15分。お伊勢参りとおかげ横丁廻りに最適な宿で、全室露天風呂付き。2018年には楽天トラベル日本の宿アワードを受賞するなど評価も高いです。
伊勢市駅前の「伊勢外宮参道 伊勢神泉(13,750円〜)」は、伊勢・神宮御前唯一の天然温泉を湧出する人気の旅館です。こちらは楽天シルバーアワード&日本の宿アワードを2年連続でW受賞しています。
そのほかは以下リンクをチェックしてみてください。
伊勢志摩の観光モデルコースは以下の記事で解説しています。
熊野三山
紀伊半島の南部は、神々の霊が隠れ籠る独自の聖域をなし、古来より「熊野」と総称されています。
”熊野三山”とは、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺の三社一寺の総称です。自然崇拝を起源に神道、仏教、修験道の一大聖地として信仰を集めました。
古来より「速玉」が前世の罪を浄め、「那智」は現世の縁を結び、「本宮」が来世を救済するといわれ、過去、現在、未来の安寧を得るため多くの人が熊野古道を歩き、熊野三山を訪れました。
見どころは熊野三山それぞれの参拝と、約1800年前に発見されたという日本最古の「湯の峰温泉」、世界遺産の名湯「つぼ湯」、熊野古道を実際に歩いてみることなどがあり、以下ルートで1日観光が楽しめます。
熊野三山の観光モデルコースは以下の記事で詳しく解説しています。
南紀勝浦温泉
南紀勝浦温泉は、南紀白浜温泉と並ぶ、和歌山県を代表する温泉地で、世界遺産に登録された那智山や那智滝、熊野三山、吉野熊野国立公園への拠点でもあります。
県下一を誇る175本もの多種多様な源泉があり、旅館、公衆浴場等の立ち寄り温泉が充実。日本有数の生鮮マグロの水揚げ高を誇る「勝浦漁港」の近くには、獲れたてマグロが楽しめるお店がたくさんあります。
そんな南紀勝浦温泉での宿泊は「ホテル浦島(6,270円~)」が人気があります。西日本最大級のホテルで、源泉かけ流しの大洞窟温泉とマグロの解体ショーが見られるバイキングが魅力です。
オーシャンビューの客室と解放感あふれる露天風呂が自慢の「かつうら御苑(7,700円~)」や、2021年オープンの肌に優しい源泉かけ流し温泉「湯快リゾートプレミアム 越之湯(3,050円~)」も評価が高いです。
そのほかは以下リンクをチェックしてみてください。
くじらの博物館
クジラの博物館は、古式捕鯨発祥の地として有名な太地町(たいじちょう)にある世界一のスケールを誇る鯨専門の博物館です。
館内では太地町の400年以上に及ぶクジラとの関わりや、鯨類骨格標本、古式捕鯨に用いられた道具・ジオラマ、近代捕鯨の銛や大砲、キャッチャーボート模型などおよそ1,000点に及ぶ貴重な資料を展示しています。
また、海を区切って作った自然プールやショープールでは数種類の鯨類を飼育しており、ショーの他、さまざまなふれあいイベントも実施しています。
くじらの博物館
所在地/東牟婁郡太地町太地2934-2
TEL/0735-59-2400
営業時間/8:30~17:00
定休日/年中無休
料金/一般:1,500円、小中学生:800円
▶公式ホームページ
白浜温泉
紀伊半島南西部に位置する「白浜温泉」は、かつては熱海温泉、別府温泉と並んで「日本三大温泉」と言われた名湯です。
日本三古湯のひとつにも数えられ、白良浜を中心に海岸沿いに温泉施設、宿泊施設が広がるリゾート地となっています。
観光の見どころは、西日本最大級の海鮮市場「とれとれ市場」で毎日開催されるマグロの解体ショーや、約620mに渡って真っ白な砂浜が続く「白良浜」、打ち寄せる荒波に浸食されてできた「千畳敷」などです。
さらに、「アドベンチャーワールド」や「白浜エネルギーランド」などのテーマパークも人気で、充実した1日滞在が楽しめます。
また南紀白浜温泉での宿泊は、「紀州・白浜温泉 むさし(7,700円~)」が人気があります。青い海と白い砂浜に臨む本格和風旅館で、2つの源泉と5種の湯殿で湯巡りを楽しめます。
全室オーシャンビューのお洒落なリゾートホテル「白浜古賀の井リゾート&スパ(10,900円~)」や、太平洋と白良浜を見渡す場所にある高級ホテル「南紀白浜マリオットホテル(8,906円~)」も評価が高いです。
そのほかは以下リンクをチェックしてみてください。
和歌山市
和歌山市は、和歌山県の県庁所在地及び最大の都市で、紀州徳川家の居城である”和歌山城”の城下町として栄えました。
見どころは和歌山城のほか、創建は神武天皇二年(約2600年前)と日本でも最古の歴史がある「日前神宮・國懸神宮」や、明治時代から第二次世界大戦時まで旧日本軍の要塞施設となっていた「友ヶ島」などがあります。
そのほか、中世地中海の港街をモチーフにしたテーマパーク「ポルトヨーロッパ」や、リゾートアイランド「和歌山マリーナシティ」もあり、半日から1日観光が楽しめます。
和歌山市内の観光モデルコースは以下の記事で詳しく解説しています。
高野山
高野山は、およそ1,200年前に弘法大師(空海)によって開かれた真言密教の修行道場です。117もの寺院が建ち並ぶ日本仏教を代表する聖地で、明治以前は高野山全体が「一山境内地」とされていました。
山内には信仰の中心である「奥之院」と「壇上伽藍」を二大聖地とし、空海が開創した高野山真言宗総本山の寺院「金剛峯寺」、高野山の総門であり、山上結界のシンボル「大門」などがあります。
2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」の名前で世界遺産に登録。現在は世界中から注目を集めています。高野山の観光所要時間の目安は3時間、ゆっくり観光して5時間ほどです。
観光モデルコースについては以下の記事で詳しく解説しています。
また高野山では存在する100ヵ寺以上の寺院のうち、52ヵ寺で宿坊として泊まることができ、精進料理や朝勤行、写経、阿字観などを体験できます。
宿泊で人気があるのが「高野山温泉 福智院」「西禅院」「高野山 別格本山 明王院」「一乗院」の4ヵ寺。なかでも、福智院は高野山唯一の天然温泉と露天風呂がある高野山最大の宿坊です。
吉野山・金峯山寺
吉野山は、金峰山寺の門前町として開かれてきた山域の総称で、古代からの山岳信仰の聖地です。平安時代以降は霊場として多くの参詣人を集めてきました。
山全体が世界遺産に登録されており、吉野水分神社・金峯神社・金峯山寺・吉水神社などの歴史的建造物が点在。日本一の桜の名所としても有名で、谷や尾根を飾る桜の数は3万本といわれています。
その吉野山にある「金峯山寺(きんぷせんじ)」は、金峯山修験本宗(修験道)の本山です。7世紀に活動した伝説的な山林修行者・役小角が開創したと伝えられています。
本尊は3体の蔵王権現。いずれも高さ7mの巨像で、国内最大級の厨子に納められた秘仏です。観光は吉野山の参拝だけなら1時間ほど。公園散策を含めると2~3時間必要です。
金峯山寺
所在地/奈良県吉野郡吉野町吉野山2498
TEL/0746-32-8371
拝観時間/8:30~16:30(受付16:00まで)
▶公式ホームページ
吉野山の観光スポット・モデルコースは以下の記事で詳しく解説しています。
紀伊半島の観光ガイドブック
紀伊半島については旅行情報誌”まっぷる 南紀 伊勢・志摩”や”まっぷる和歌山’24”、”まっぷる伊勢 志摩’24”のなかでも紹介されています。そのほか、温泉や宿に関しては”るるぶ温泉&宿 関西’23”があります。
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【紀伊半島一周ドライブ】観光モデルコースまとめ
今回は、紀伊半島ドライブモデルコースについて解説してきました。
紀伊半島の観光には各観光地で1日づつ滞在し、1週間ほどの旅行日程を組むことをお勧めします。時間をかけてじっくりと観光しましょう。
そのほか、紀伊半島近郊の観光スポット・モデルコースを以下の記事で解説しているので、合わせてご覧ください。
今回は以上です。紀伊半島旅行の参考になれば幸いです。