「北総の小江戸」とも呼ばれる佐原は、古くから水郷の町として栄え、木造や蔵造りの町家のほか、土蔵・洋風建築などその面影を残す町並みが今でも数多く残っています。
実測日本地図を作り上げた伊能忠敬ゆかりの地でもあり、伊能忠敬の旧宅や記念館などの観光や、佐原の町並みを観光船で観賞できる「さわら舟めぐり」、うなぎやそばなどの名物グルメも楽しめます。
今回は、そんな佐原を巡る観光モデルコースと見どころ、佐原で行くべき観光スポットについて解説していきます。
佐原観光モデルコース
佐原観光モデルコースは以下の通りです。
✅佐原観光モデルコース
佐原の観光モデルコースは、佐原駅から出発して、伊能忠敬記念館→伊能忠敬旧宅などを観光。そのあとは、「さわら舟めぐり」で、小江戸の街並みを水上から楽しみましょう。
車があれば、観福寺や香取神宮を参拝し、「道の駅 水の郷さわら」や「水郷佐原あやめパーク」にも立ち寄ってみてください。
また、近郊の道の駅や、鹿島神宮、成田山方面も合わせて観光するなら車・レンタカー移動が便利です。
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佐原の観光の見どころ
佐原の主要観光スポットは以下の通りです。
✅佐原の主要観光スポット
- いかだ焼き本舗正上
- 小江戸さわら舟めぐり
- 伊能忠敬記念館
- 小堀屋本店
- ジャージャー橋
- うなぎ割烹 山田
- 香取神宮
佐原の観光の見どころは、小江戸の街並みを水上から散策できる「さわら舟めぐり」と、小野川に架かる「ジャージャー橋」、伊能忠敬の偉大なる業績と生涯を知ることができる「伊能忠敬記念館」などです。
そのほか、しょうゆ屋がはじめた佃煮屋さん「いかだ焼き本舗正上」も有名で、行列のできる鰻の名店「うなぎ割烹 山田」や、”黒いお蕎麦”で知られる「小堀屋本店」などで歴史ある佐原グルメも楽しめます。
香取神宮は少し離れた位置にありますが、明治以前に「神宮」の称号を与えられていたわが国屈指の名社なので、合わせて訪れてみてください。
また佐原での宿泊は、歴史地区の邸宅をリノベートした小規模分散型ホテル「NIPPONIA」が注目を集めています。築100年超の商家を含む3つの棟が町に点在し、歴史ある客室で新しいスタイルの宿泊体験を提供しています。
そのほかの宿泊施設は以下をご覧ください。
佐原近郊の観光スポット・モデルコースは以下の記事で解説しています。
佐原で必ず行きたい11の観光スポット
では、ここからは上記モデルコースで行ける佐原の観光スポットをそれぞれ解説していきます。
小江戸さわら舟めぐり
小江戸さわら舟めぐりは、江戸風情が残る佐原の町並みを眺めながら、小野川の情緒を存分に味わえる観光船です。
所要時間は約30分ほど。柳の垂れる土手に、樋橋や忠敬橋といった古い謂れのある橋など、船ならではの風景が堪能できます。
小江戸さわら舟めぐり
所在地/香取市佐原イ1730-3
TEL/0478-55-9380(ぶれきめら)
営業時間/10:00~16:00
(季節により変動あり)
所要時間/約30分
料金/大人1,300円、小学生700円
▶公式ホームページ
伊能忠敬旧宅
佐原には伊能忠敬の旧宅が、当時のまま保存されています。伊能家は、旧佐原村本宿(ほんじゅく)組の名主を務め、酒造業や米穀売買などを家業としていました。
旧宅は商家造りの瓦葺き平屋建てで、表の店舗と奥の母屋からなり、店舗は醸造業の倉庫を改造したもので、土間・帳場・居室・台所等があります。
また、母屋は寛政5年(1793年)忠敬が48才の時に、自身の設計により作ったもので、屋敷内の土蔵も含めて国指定史跡に指定されています。
伊能忠敬旧宅
所在地/香取市佐原イ1900-1
TEL/0478-54-1118
開館時間/午前9時から午後4時30分まで
定休日/年末年始(12月29日から1月1日まで)
料金/無料
▶公式ホームページ
伊能忠敬記念館
伊能忠敬記念館は、忠敬が作成した伊能図をはじめ、測量器具や記録、書状など、国宝に指定された伊能忠敬関係資料などを展示している施設です。
伊能忠敬は、50歳を過ぎてから、日本全国を測量して歩き、わが国最初の実測日本地図をつくりあげました。施設では忠敬の人生を年代順に追い、その業績の結晶である伊能図をあますことなく紹介しています。
伊能忠敬記念館
所在地/香取市佐原イ1722-1
TEL/0478-54-1118
営業時間/午前9時から午後4時30分
定休日/月曜日・祝日の翌日・年末年始(12月28日~1月4日)
入館料/大人 500円、小中学生 250円、65歳以上 450円
▶公式ホームページ
樋橋(ジャージャー橋)
樋橋(とよはし)は、小野川に架かる橋で、もともとは、小野川をまたいで農業用水を通すため、架けられた大きな樋(とよ)でした。樋(とよ)とは、雨水などを排水するための溝や管のことです。
300年近く使われ、戦前にコンクリートの橋になってからも橋の下側につけられた大樋を流れる水が、「ジャージャー」と音を立ててあふれ落ちています。
毎日9:00から17:00の間、30分間隔でこの落水(約5分間)を見ることができ、小江戸の町並みに映える風情ある水音は、「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。
正文堂書店
正文堂書店は、江戸時代から現在の場所で本の販売・出版を行ってきたお店です。
店舗自体は明治13年(1880年)に建てられたもの。構造は2階建て土蔵造で、屋根は桟瓦葺切妻造。大黒柱はケヤキ材、2階の窓は開き戸、さらに横引きの土戸に板戸と、三重にも防火設備を施した土蔵造の店舗で、重厚な雰囲気をもっています。
意匠、技術ともに県内の町家建築の中でも特に優れており、県指定有形文化財(建造物)に指定されています。
福新呉服店
福新呉服店は、文化元年(1804)創業と伝えられる町家で、明治時代末期からは呉服商を営んできました。
明治元年(1868年)に建築された土蔵が奥にあり、周囲から火が侵入することを防ぐ構造となっています。佐原の町並み景観上も重要な位置を占める建物で、県指定有形文化財(建造物)に指定されています。
いかだ焼き本舗正上
いかだ焼き本舗正上は、醤油屋として1800年(寛政12年)に創業し、現在は本醸造醤油をベースとした無添加のタレを使用して作った佃煮を製造販売しているお店です。
わかさぎを煮上げた「いかだ焼」や、柔らかい食感の「やき蛤」、風味豊かな「本蛤酒蒸し」などが人気の商品。店舗は天保3年(1832)建築で県指定有形文化財です。
いかだ焼き本舗正上
所在地/香取市佐原イ3406
TEL/0478-54-1642
営業時間/月~土 9:00~17:00、日・祝 10:00~16:00
定休日/年中無休(年末年始のみ休み)
▶公式ホームページ
小堀屋本店
小堀屋本店は、昔は醤油醸造を家業にしていましたが、天明2年(1782年)にそば屋を開業し、現在まで営まれています。
生地に日高昆布が混ぜた真っ黒な”黒切りそば”が有名なお蕎麦屋さんで、上級そば粉の更級粉を使った”もりそば”や、柚子皮を練りこんだ”柚子切蕎麦”も人気があります。
明治33年(1900)に建築された店舗は、木造二階建、屋根は桟瓦葺切妻造。外観は戸口、格子窓など、開業当初の姿がそのまま残り、千葉県の有形文化財に指定されています。
小堀屋本店
所在地/香取市佐原イ505
TEL/0478-52-4128
営業時間/11時~売り切れ次第終了
定休日/水曜、不定期連休あり
▶小堀屋本店 | 食べログ
珈琲 遅歩庵いのう
遅歩庵いのうは、伊能本家17代目が経営するカフェで、KAT-TUNの亀梨和也さんが出演していた「東京バンドワゴン」のロケ地として知られています。
店内は昔の欄間をインテリアとし、伊能本家に代々伝わる古美術品なども展示しています。
珈琲 遅歩庵いのう
所在地/香取市佐原イ1721-12
TEL/0478-54-2335
営業時間/11時30分~17時
定休日/土・日曜、祝日
▶公式ホームページ
うなぎ 長谷川
「うなぎ 長谷川」は、千葉銀行の裏手に佇む日本家屋風の鰻専門店です。関東風の蒸し鰻を炭火で香ばしく焼き上げ、外はカリッと、中はふんわりとした食感を楽しめます。
うなぎ 長谷川
所在地/香取市佐原イ584
TEL/0478-54-3011
営業時間/11:00~14:00
定休日/水曜日
▶食べログ
うなぎ割烹 山田
うなぎ割烹山田は、創業からおよそ300年、こだわりの製法で美味しい蒲焼きが食べられる老舗うなぎ店です。平日昼間でも行列のできる人気店なので、早めの時間帯の来店がおすすめです。
うなぎ割烹 山田
所在地/香取市佐原イ457
TEL/0478-52-4375
営業時間/11:00~14:30、16:30~19:30
定休日/月曜日 ※祝日は翌日振替
▶食べログ
観福寺
観福寺は、川崎大師・西新井大師と並ぶ関東厄除け三大師のひとつで、真言宗豊山派に属する北総の名刹です。
開基は890年。古くは千葉氏の祈願所として歴代武将の厚い帰依を受け、近世になると大師信仰の中心となって庶民の信仰を一身に集めました。
平将門の守護仏である観世音菩薩を本尊に祀っており、墓域には伊能忠敬の墓もあります。
観福寺
所在地/香取市佐原イ1903-1
TEL/0478-50-1212
佐原三菱館
佐原三菱館は、1914(大正三年)年に「川崎銀行佐原支店」として築造された煉瓦造りの洋風建築の建物です。レンガはイギリスから輸入したもので、内部は吹き抜けになっており2階周囲に回廊があります。
東日本大震災の影響で閉館していたものの、令和元年度から3年度にかけて保存修理工事を実施し、令和4年4月9日より11年ぶり一般公開されています。
佐原三菱館
所在地/香取市佐原イ1903-1
TEL/0478-50-1212
料金/無料
香取神宮
香取神宮は、神武天皇18年の創建と伝えられる下総国の一宮で、全国約400社の香取神社の総本社です。
御祭神は日本書紀の国譲り神話に登場する経津主大神(ふつぬしのおおかみ)。古くより軍神として信仰され、歴代の武家政権からも武神として崇敬されました。勝運・交通・災難除けなどにご利益があるといわれています。
明治以前に「神宮」の称号を与えられていたのは伊勢、香取、鹿島のみというわが国屈指の名社で、古くは鹿島神宮とともに、大和朝廷の東国・東北開拓の前線守護の役割がありました。
本殿・中殿・拝殿が連なる権現造の社殿は、鹿皮のような色をした桧皮葺の屋根に黒塗りの姿が実に美しい建物。徳川五代将軍綱吉による造営で、本殿、楼門が重要文化財に指定されています。
また宝物の「海獣葡萄鏡」は県内工芸品として唯一国宝の指定を受けています。
香取神宮
所在地/香取市香取1697
TEL/0478-57-3211
▶公式ホームページ
佐原の観光ガイドブック
佐原については旅行情報誌”るるぶ千葉 房総’25” や”まっぷる 千葉・房総’25”でも紹介されています。さらに、温泉や宿に関する情報は、”るるぶ温泉&宿 関東’23”に掲載されています。
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【佐原観光モデルコース】まとめ
今回は、佐原観光モデルコースについて解説してきました。
佐原エリアは東京から車で1時間~1時間半ほどで行くことができる観光地です。近郊には「東国三社」の鹿島神宮や息栖神社のほか、年間1,000万人を超える参詣者が訪れる成田山新勝寺などがあり、1泊2日での旅行も楽しめます。
佐原近郊の観光モデルコースは以下の記事で解説しているのでチェックしてみてください。
今回は以上です。佐原観光の参考になれば幸いです。