日本の書店業界は、長年にわたって縮小が続いている市場です。ピーク時には2万店以上あった書店数は、現在では約1万店前後まで減少し、「本屋がない自治体(書店空白地帯)」も増えています。
その一方で、生き残っているのは主にチェーン型書店であり、特にショッピングモールや駅ビルに出店する大手チェーンへの集約が進んでいます。また近年は、カフェ併設や雑貨販売などを取り入れた“体験型書店”への進化も目立っています。
この記事では、日本の主要書店チェーンを店舗数ベースで整理し、業界の構造や特徴について詳しく解説していきます。
本屋チェーンの店舗数ランキング(日本)
まずは、日本国内の主要書店チェーンを店舗数の多い順にまとめました。
※新品書店・複合型含む
| 順位 | チェーン名 | 店舗数(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 未来屋書店 | 約210店舗 | イオンモール中心・国内最多 |
| 2位 | くまざわ書店 | 約200店舗 | 駅ビル・商業施設に強い |
| 3位 | 宮脇書店 | 約190店舗 | 地方に強い老舗チェーン |
| 4位 | 文教堂 | 約75店舗 | 首都圏中心・コミック強い |
| 4位 | 三洋堂書店 | 約75店舗 | 東海地方ロードサイド |
| 6位 | 明屋書店 | 約74店舗 | 四国・中国・九州に展開 |
| 7位 | 紀伊國屋書店 | 約70店舗 | 国内外展開の老舗 |
| 8位 | 大垣書店 | 約50店舗 | 京都発・カフェ融合型 |
| 9位 | 明林堂書店 | 約45店舗 | 九州を中心に展開 |
| 10位 | 有隣堂 | 約40店舗 | 神奈川中心・独自企画強い |
| 10位 | WonderGOO | 約40店舗 | エンタメ複合型 |
| 12位 | ブックファースト | 約33店舗 | 都市部や駅近中心 |
| 13位 | 蔦屋書店 | 約30店舗 | 複合型・カフェ併設 |
| 13位 | 丸善・ジュンク堂 | 約30店舗 | 大型店・専門書に強み |
| 13位 | 喜久屋書店 | 約30店舗 | 総合書店 |
| 13位 | フタバ図書 | 約30店舗 | 広島拠点の老舗 |
| 17位 | リブロ | 約25店舗 | 中規模書店チェーン |
| 18位 | BOOKSえみたす | 約24店舗 | SC内を中心に展開 |
| 19位 | 啓文堂書店 | 約20店舗 | 京王線沿線ドミナント |
| 19位 | 三省堂書店 | 約20店舗 | 神保町の名門書店 |
| 21位 | 積文館書店 | 約15店舗 | 福岡県を中心に展開 |
日本国内の書店チェーンで注目は、イオングループのイオン傘下である「未来屋書店」の強さです。全国のイオンモールに高密度で出店しているため、実質的な国内最大チェーンとなっています。
2位のくまざわ書店も、上位はショッピングモールや駅ビルへの出店を軸にした“生活導線型書店”が多くなっています。
一方で、紀伊國屋書店や丸善ジュンク堂のような大型専門店は、店舗数では中位にとどまりながらも、ブランド力や売上規模では非常に大きな存在感を持つという構造になっています。
本屋チェーンの特徴と傾向
書店チェーンは大きく4つのタイプに分類できます。
まず主流となっているのが、「未来屋書店」に代表されるモール型書店です。イオンモールなど大型商業施設に出店し、ファミリー層やライトユーザーを取り込むモデルで、現在の書店業界の中核を担っています。
次に、「くまざわ書店」や「啓文堂書店」のような駅ビル・都市型書店です。通勤・通学客をターゲットにした立地で、回転率の高い売場構成が特徴です。雑誌・コミック・話題書に強い傾向があります。
三つ目は、「丸善ジュンク堂」や「紀伊國屋書店」に代表される大型・専門書型です。学術書や専門書、洋書などを豊富に揃え、「探しに行く書店」としての役割を担っています。ネット通販では代替しづらい価値を提供しているのが強みです。
本屋チェーン比較(特徴・強み)
| チェーン | タイプ | 強み | 主な立地 |
|---|---|---|---|
| 未来屋書店 | モール型 | 安定集客 | イオンモール |
| TSUTAYA | 複合型 | 滞在価値 | 郊外・都市 |
| くまざわ書店 | 駅型 | 回転率 | 駅ビル |
| 丸善ジュンク堂 | 大型専門 | 品揃え | 都市中心 |
近年の本屋業界は、ECサイトや電子書籍の普及により、単純な販売だけでは成り立たなくなっています。
そのため、TSUTAYAのようにカフェを併設したりと、「来店する理由」を作ることが重要になっています。
都道府県別 本屋店舗数ランキング(目安)
| 順位 | 都道府県 | 店舗数(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 約1,500以上 | 最大市場・大型店集中 |
| 2位 | 大阪府 | 約800以上 | 都市型・専門書店多い |
| 3位 | 神奈川県 | 約700以上 | ベッドタウン需要 |
| 4位 | 愛知県 | 約600以上 | バランス型 |
| 5位 | 埼玉県 | 約500以上 | 郊外型中心 |
| 6位 | 千葉県 | 約450以上 | モール型多い |
| 7位 | 福岡県 | 約400以上 | 九州の中心 |
| 8位 | 北海道 | 約350以上 | 札幌集中 |
| 9位 | 兵庫県 | 約350以上 | 関西圏 |
| 10位 | 静岡県 | 約300以上 | 地方分散型 |
都道府県別に見ると、書店は典型的な都市型ビジネスでありながら、全国に広く分布しているのが特徴です。ただし、その内訳を見ると、都市部では大型書店や専門店が多く、地方ではモール型や小規模チェーンが中心になる傾向があります。
また近年は、地方での閉店が相次いでおり、「1冊も本が買えない地域」が増えているのも大きな問題です。この流れの中で、未来屋書店のようなモール依存型や、TSUTAYAのような複合型が生き残りやすい構造になっています。
まとめ|本屋チェーンの店舗数ランキング
本屋チェーンの店舗数ランキングでは、未来屋書店が国内最多規模を誇り、宮脇書店やくまざわ書店がそれに続く形となっています。
しかし業界全体を見ると、
・モール型(未来屋書店)
・複合型(TSUTAYA)
・駅型(くまざわ書店)
・大型専門型(紀伊國屋・丸善)
といった多様な業態が共存しています。
書店業界は縮小傾向にある一方で、「どんな体験を提供できるか」によって生き残りが決まる時代に入っています。単なる販売から脱却し、空間・体験・専門性を強化できるチェーンこそが、今後も店舗数を維持・拡大していくでしょう。