日本の図書館は、「国立」「大学」「公共(自治体)」の3つに大きく分かれますが、その中でも都道府県が運営する図書館は、地域全体の知的基盤を支える“中核拠点”としての役割を担っています。
市区町村の図書館が「貸出中心の生活施設」であるのに対し、都道府県立図書館は、資料保存・調査研究・広域支援といった機能を持ち、蔵書の質と量の両面で重要な存在です。
この記事では、最新の統計データをもとに、都道府県別の図書館蔵書数ランキングを整理しながら、その特徴や傾向を詳しく解説していきます。
都道府県別 図書館蔵書数ランキング
まずは、都道府県ごとの蔵書数を多い順にまとめました。
※都道府県立図書館ベース(令和5年度)
| 順位 | 都道府県 | 蔵書数 |
|---|---|---|
| 1位 | 大阪府 | 約2,934,228冊 |
| 2位 | 東京都 | 約2,832,075冊 |
| 3位 | 岡山県 | 約1,623,783冊 |
| 4位 | 埼玉県 | 約1,604,938冊 |
| 5位 | 滋賀県 | 約1,564,575冊 |
| 6位 | 京都府 | 約1,437,124冊 |
| 7位 | 千葉県 | 約1,422,899冊 |
| 8位 | 福井県 | 約1,404,363冊 |
| 9位 | 長崎県 | 約1,385,968冊 |
| 10位 | 鳥取県 | 約1,254,341冊 |
| 11位 | 大分県 | 約1,243,531冊 |
| 12位 | 神奈川県 | 約1,233,043冊 |
| 13位 | 愛知県 | 約1,214,493冊 |
| 14位 | 北海道 | 約1,206,287冊 |
| 15位 | 徳島県 | 約1,202,297冊 |
| 16位 | 宮城県 | 約1,182,020冊 |
| 17位 | 鹿児島県 | 約1,179,480冊 |
| 18位 | 熊本県 | 約1,156,383冊 |
| 19位 | 秋田県 | 約1,115,219冊 |
| 20位 | 岐阜県 | 約1,111,564冊 |
| 21位 | 和歌山県 | 約1,108,006冊 |
| 22位 | 香川県 | 約1,103,707冊 |
| 23位 | 福島県 | 約1,050,979冊 |
| 24位 | 石川県 | 約1,044,645冊 |
| 25位 | 青森県 | 約1,016,151冊 |
| 26位 | 茨城県 | 約1,010,208冊 |
| 27位 | 富山県 | 約964,175冊 |
| 28位 | 沖縄県 | 約962,626冊 |
| 29位 | 新潟県 | 約961,713冊 |
| 30位 | 静岡県 | 約951,691冊 |
| 31位 | 高知県 | 約904,837冊 |
| 32位 | 佐賀県 | 約897,440冊 |
| 33位 | 三重県 | 約896,392冊 |
| 34位 | 島根県 | 約880,470冊 |
| 35位 | 群馬県 | 約880,328冊 |
| 36位 | 広島県 | 約871,501冊 |
| 37位 | 福岡県 | 約845,793冊 |
| 38位 | 岩手県 | 約840,893冊 |
| 39位 | 山口県 | 約831,965冊 |
| 40位 | 奈良県 | 約791,699冊 |
| 41位 | 栃木県 | 約787,828冊 |
| 42位 | 長野県 | 約772,955冊 |
| 43位 | 宮崎県 | 約767,974冊 |
| 44位 | 山形県 | 約753,847冊 |
| 45位 | 愛媛県 | 約748,259冊 |
| 46位 | 山梨県 | 約718,826冊 |
| 47位 | 兵庫県 | 約667,640冊 |
図書館の蔵書数ランキングは以下もチェック
1位は大阪府|全国トップの蔵書規模
1位は大阪府で、約293万冊という圧倒的な蔵書数を誇ります。
大阪府立図書館は「中之島図書館」と「中央図書館」の2館体制で運営されており、それぞれが役割分担をしながら膨大な資料を蓄積しています。中之島図書館は歴史的資料やビジネス支援に強く、中央図書館はより広範な分野をカバーするなど、機能分化によって蔵書の質と量を同時に拡大してきました。
また、大阪は商業・産業の中心地でもあるため、実務・経済系資料の収集にも積極的であり、単なる冊数の多さだけでなく「実用性の高い蔵書構成」も特徴となっています。
2位は東京都|最大規模に近いが分散型
東京都は約283万冊で2位にランクインしています。
一見すると全国最大規模に見えますが、東京都の場合は「中央図書館」と「多摩図書館」に機能が分かれており、さらに市区町村図書館の充実度が非常に高いという特徴があります。
つまり、都全体としての図書館網は圧倒的ですが、県立(都立)単体での蔵書数では大阪府に一歩及ばないという構造です。この「分散型ネットワーク」が東京の図書館行政の特徴であり、結果としてランキングでは2位に位置しています。
上位に地方県が多数|岡山・滋賀・福井が強い背景
3位の岡山県、5位の滋賀県、8位の福井県など、人口規模では中位クラスの県が上位に入っている点は非常に特徴的です。
これは、都道府県立図書館の役割が「人口比例」ではなく、「広域拠点としての機能」に依存しているためです。
特に岡山県立図書館は、来館者数や貸出数でも全国トップクラスを誇る“成功事例”として知られており、積極的な資料収集と利用促進の両輪が機能しています。また滋賀県や福井県も、教育・文化政策として図書館整備に力を入れてきた経緯があり、結果として蔵書数が全国上位に位置しています。
つまり、蔵書数ランキングは単なる人口規模ではなく、「自治体の文化投資の結果」とも言えます。
下位県の特徴|蔵書数が少ない理由
一方で、下位に位置する県にはいくつかの共通点があります。
まず一つは、県立図書館の役割が限定的で、市町村図書館に機能が分散しているケースです。特に兵庫県などは、市立図書館の規模が大きく、県立の役割が相対的に小さくなっています。
また、地理的条件や人口分布の影響で、大規模な中央集約型図書館を整備しにくい地域もあります。このため、蔵書数だけで図書館サービスの充実度を判断するのは適切ではありません
まとめ|図書館 蔵書数都道府県ランキング
都道府県別の図書館蔵書数ランキングを見ると、大阪府・東京都といった大都市圏が上位に入る一方で、岡山県や滋賀県など地方でも強い存在感を持つ地域があることがわかります。
これは、図書館が単なる人口比例の施設ではなく、自治体の政策や役割設計によって大きく変わることを示しています。
また、蔵書数の多さはあくまで一つの指標に過ぎず、実際の使いやすさや利便性は別の軸で評価する必要があります。図書館は今、保存中心から「利用される知の拠点」へと変化しており、その在り方も大きく進化し続けています。

