日本のホテルチェーン業界は、「大手ビジネスホテルの拡大」と「多様化する宿泊ニーズ」が特徴の市場です。
特に近年は、インバウンドの回復や国内旅行需要の増加により、ホテル業界全体が再び成長局面に入っています。その中で、全国展開するホテルチェーンは客室数・店舗数ともに拡大を続けており、都市部を中心に新規出店も増えています。
一方で、単なる宿泊施設としての役割だけでなく、大浴場・サウナ・無料朝食・ワークスペースなど、付加価値による差別化が重要になっており、「どのチェーンを選ぶか」が宿泊体験そのものを左右する時代になっています。
この記事では、日本国内の主要ホテルチェーンを店舗数ベースで整理しながら、それぞれの特徴や違い、さらに業界全体の動向について詳しく解説していきます。
ホテルチェーンの店舗数ランキング(日本)
まずは、日本国内の主要ホテルチェーンを店舗数の多い順にまとめました。
| 順位 | チェーン名 | 店舗数(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | アパホテル | 約1,000店舗 | 国内最大手・都市集中 |
| 2位 | 東横INN | 約360店舗 | 駅前特化・全国網 |
| 3位 | ルートインホテルズ | 約360店舗 | 郊外・ロードサイド型 |
| 4位 | リブマックスホテルズ | 約185店舗 | 低価格・都市型 |
| 5位 | スーパーホテル | 約180店舗 | 健康志向・無料朝食 |
| 5位 | マイステイズ | 約180店舗 | 長期滞在対応 |
| 7位 | ドーミーイン(共立リゾート) | 約140店舗 | 大浴場・サウナ強い |
| 8位 | コンフォートホテル | 約120店舗 | 外資系・安定品質 |
| 9位 | スマイルホテル | 約80店舗 | リブランド型 |
| 10位 | ダイワロイネットホテルズ | 約77店舗 | 客室広め・高品質 |
| 11位 | プリンスホテルズ | 約60店舗 | リゾート・高級路線 |
| 12位 | リッチモンドホテル | 約50店舗 | 高評価・高品質 |
| 13位 | ワシントンホテル | 約43店舗 | R&Bホテルの2ブランド展開 |
| 14位 | ベッセルホテルズ | 約35店舗 | ファミリー強い |
| 15位 | ホテルJALシティ | 約15店舗 | 航空系・立地良 |
日本国内のホテルチェーンでは、アパホテルが圧倒的な規模を誇ります。都市部中心の急速拡大と、出張・観光のどちらにも対応できる立地戦略、効率的な客室設計が強みです。
一方で、東横INNやルートインホテルズは、それぞれ異なる立地戦略で全国にネットワークを構築しています。東横INNは駅前に特化し、ルートインは郊外や幹線道路沿いに多く出店しており、同じビジネスホテルでも明確な違いが見られます。
またドーミーインのように、温浴施設やサービスの充実で人気を集めるチェーンもあり、単純な規模だけでは測れない競争が起きているのが現在のホテル業界の特徴です。
ホテルチェーンの特徴と傾向
ホテルチェーン業界は「立地戦略」「ターゲット層」「提供価値」によって大きく方向性が分かれています。
まず、アパホテルや東横INNのような大手ビジネスホテルは、出張利用や短期滞在を主なターゲットとし、利便性と価格のバランスを重視しています。これに対して、ルートインホテルズは郊外やロードサイドに多く出店しているのが特徴です。
またスーパーホテルやドーミーインは、宿泊そのものの快適性を重視したサービスで評価を高めています。無料朝食や天然温泉、大浴場、夜食サービスなど、単なる「寝る場所」ではなく、滞在体験そのものに価値を持たせているのが特徴です。
さらに、ダイワロイネットホテルズやリッチモンドホテルのように、客室の広さや設備の質を重視する中価格帯ホテルも存在します。これらはビジネスと観光の両方に対応できるバランス型であり、近年はこの層の需要も増えています。
ホテルチェーン比較表(価格・特徴)
| チェーン | 価格帯 | 快適性 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アパホテル | 普通 | 高い | 都市型・最大手 |
| 東横INN | 安い | 標準 | 駅前・安定 |
| ルートイン | 普通 | 高い | 郊外・大浴場 |
| ドーミーイン | やや高い | 非常に高い | 温泉・サウナ |
| リッチモンド | やや高い | 高い | 客室広い |
ホテルチェーンを比較すると、アパホテルは立地の良さと設備のバランスで選ばれることが多く、東横INNは価格と安定感を重視するユーザーに支持されています。一方でドーミーインはやや価格が高めでも、温泉やサービスの充実度から“あえて選ばれるホテル”となっています。
つまり現在のホテル市場では、「どれだけ快適に過ごせるか」「どんな体験ができるか」が重要な判断基準となっており、チェーンごとの個性がそのまま選ばれる理由になっています。
都道府県別 ホテル出店傾向(目安)
| 順位 | 都道府県 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 圧倒的な宿泊需要 |
| 2位 | 大阪府 | 観光・ビジネス |
| 3位 | 北海道 | 観光需要(札幌) |
| 4位 | 福岡県 | 九州の中心 |
| 5位 | 愛知県 | ビジネス需要 |
| 6位 | 沖縄県 | リゾート特化 |
| 7位 | 神奈川県 | 横浜中心 |
| 8位 | 京都府 | 観光需要 |
| 9位 | 千葉県 | 空港・観光 |
| 10位 | 兵庫県 | 神戸観光 |
ホテルの出店傾向は、観光需要とビジネス需要に大きく依存しています。
都道府県別にみると東京都や大阪府のような大都市では、出張や観光の両方の需要があり、ホテル数も非常に多くなっています。一方で沖縄や北海道のような観光地では、リゾート型や長期滞在型のホテルが多く、同じホテルチェーンでも役割が異なります。
また近年はインバウンド需要の回復により、都市部だけでなく地方観光地でも新規開業が増えており、出店エリアの広がりも見られます。
まとめ|ホテルチェーンの店舗数ランキング
ホテルチェーンの店舗数ランキングでは、アパホテルが圧倒的な規模で業界トップに立っています。しかし市場全体を見ると、単なる店舗数の多さだけでは競争は決まりません。
駅前特化型、郊外型、体験重視型、バランス型など、それぞれのチェーンが異なる価値を提供しており、利用シーンによって選ばれるホテルが変わります。
また業界全体としては、インバウンド需要の回復や旅行需要の拡大により、今後も成長が見込まれています。その一方で、価格競争だけでなく、サービスや体験価値の向上がより重要になっています。
ホテル業界は今、「泊まる場所」から「過ごす空間」へと進化しており、今後も多様化と競争の激化が続いていくでしょう。